
コミュニティFMとは? そしてその重要性
練馬放送が開局を目標とする「コミュニティFM」とは、TOKYO-FMやJ-WAVEなどの既存のラジオ局と比べて規模が小さいものの、地域に、そして生活に密着した情報発信源となることを目的に、1992年に法制度化されたラジオ局のことで、正式には「コミュニティ放送局」と言います。放送を聴くことができる範囲がおよそ1つの区市町村内と規定され、機動力があり小回りの利くメディアとして注目されています。規模は小さくとも、正式に総務省からの放送認可を受け、コールサインも付与された立派な放送局です。現在、日本全国にはそんなコミュニティFMは約270局ほどあり、東京都内には23区内に5局(世田谷区、中央区、江東区、葛飾区、江戸川区)、多摩地域に5局(武蔵野市、西東京市、調布市、立川市、東村山市)の合計10局があります。また変わったところでは、2009年にNHK総合テレビ・朝の連続テレビ小説「つばさ」で埼玉県川越市にあるとされる架空のコミュニティFMが舞台になり、その存在が全国的に注目されました。
コミュニティFMは普段は主に地域情報の発信が主な役割となりますが、災害時や緊急時には正確な情報の伝達と、被害が発生してしまった場合にはその後の復旧・復興、そして被災者への生活情報と心のケアを中心とした放送を実施し、これまでに各地のコミュニティFMがその真価を発揮しています。新潟県中越地震、中越沖地震の際には現地のコミュニティFMがライフライン情報やボランティア情報を絶え間なく発信し続け、また2006年の北陸豪雪、2010年の奄美大島豪雨被害の際には、地域に取り残されたり避難している住民に向けての安心情報の提供などを行いました。さらに、まだ記憶に新しい2011年の東日本大震災では、震災発生直後から今なお、復興に向けて地域の人々へのきめ細やかな情報発信をコミュニティFMが担い続けています。自然災害の多い我が国においては、コミュニティFMは規模の大きなマスメディアにはできない小回りの効いた情報発信力・求心力を持つメディアとして、ますますその存在感を増してきています。
地域情報の発信源となるラジオ局、コミュニティFMが練馬に必要です
翻って、我らが練馬区にはその地域情報の発信源となるコミュニティFMがありません。現在のところ、地域情報の発信源や緊急時の情報伝達手段としては、ケーブルテレビや防災行政無線などが整備されていますが、テレビは停電時には機能しませんし、仮に避難が必要になった時にはテレビ受信機を持ち運べない、携帯電話などのワンセグテレビでは受信できないなどの欠点も抱えています。防災行政無線も、悪天候の場合や電車や自動車での移動中にはスピーカーからの音は非常に聞き取りづらいのが現状です。
そこで、コミュニティFMという「ラジオ」がそれら既存メディアを補完しつつ、さらにそれらが持ち得ないような利点も発揮することにより、練馬区民の生命と財産を守る切り札としての役割が期待できます。
では、ラジオが持つ様々なメリットを具体的に挙げてみましょう。
ざっと挙げてみただけでもこれだけたくさんあるメリットを、全ての練馬区民が等しく享受できるコミュニティFMこそ、今の練馬に必要な新しいメディアであると、練馬放送は考えています。
私たちの住む練馬を今よりもさらに住みやすく素晴らしい街にしていくために、そして明日にも来るかもしれない様々な災害や緊急事態に備えるため、練馬にコミュニティFMをできるだけ早期に開局できるよう、皆様のお力をどうかお貸し下さい。みんなで一緒に練馬にコミュニティFMを!